月の話
1.上弦の月と下弦の月
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| 我が家の庭から見た午後7時頃の上弦の月(2004.7.27) |
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| 上弦の月と下弦の月 |
左図のように、夕方南の空に出ていて、夜中に西の空に沈むのが上弦の月で、明け方に南の空に出ていて、昼に西の空に沈むのが下弦の月です。
上弦の月、下弦の月といえば上半分が欠けているのが上弦の月、下半分が欠けているのが下弦の月と頭ではわかっていますが、とっさに出てこないのが月の満ち欠けです。
ヒントは太陽の位置で、太陽の位置と月の位置さえはっきり頭に思い描くことが出来れば、間違えることはありません。
夕方の場合は、太陽が西にありますから、南の空にある月は西からの太陽の光が当たるので、右半分が光ります。これが上弦の月です(左図上)。
一方、明け方に南の空にある月は、東から太陽の光を受けるので、左半分が光ります(左図下)。
さて、何故、上弦とか下弦と呼ぶのでしょうか。理由を知ってしまえば簡単です。弦については、中学校の数学でも習いましたし、弓の直線部を弦と呼びますね。月の場合も、半月の直線部も弦と呼びます。
同じ上弦の月でも、南の空と、西の空にあるときでは弦の位置が異なります。私たちは、普段から、西の空に月が来たときの弦の上下関係によって、どちらの半月かを判断します。西の空で下が輝いて見える月が上弦の月、上が輝いて見えるのが下弦の月というわけです。
月を眺める場合、常に太陽の位置を意識することが大切ですよ。
2.地平線近くの月はどうしてあんなに大きく見えるのか
英語では 「Moon Illusion」 と呼ばれ、古くから知られている錯覚です。古代中国や古代エジプト時代にも、すでにこの現象についての記録があります。
ちょっと理科に強い人は、「これは錯覚ではなくて本当だ。大気の屈折作用で、地平線近くにある月のほうが大きく見える」と考えるからです。確かに屈折作用はありますが、その影響は非常に小さく、「Moon Illusion」 の原因とはいえません。
私たちから見て、どの位置にあろうと月の大きさは変わらないということは、簡単に実証できます。
たとえば、様々な高さにある月の写真を撮れば一目瞭然です。地平線近くに大きな月が見えていたら、、親指と人差し指で小さな輪を作り、その輪越しに月を眺めてみると、月はあっという間に小さくなりますよ。つまり、これは錯覚なのです。
人間は、網膜に映った二次元的な画像情報から、三次元的な像を理解するという優れた能力を生まれながらに持っています。私たちは、物の大きさを、網膜に映る視角の大きさで判断しています。この機能が、いつもとは違う情報に戸惑って出してしまった結論が 「Moon Illusion」 なのです。
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| 日の出・日の入り&月の出・月の入り |
普通、物が近づけば、私たちの網膜に映る視角は大きくなりますし、遠ざかれば小さくなります。脳はこの視角の大小という情報を自動的に翻訳して、近くなった、遠くなったと理解するわけです。
月が地平線の近くにある時、地面や地平線の影響で、月は実際よりも近くにあるように感じられます。ところが、本当はもっと遠くにあることが頭で判っているので、いつもと同じ視角なのに近くに見えるということは、実際にはもっと遠くにあるものなのだから、サイズはもっと大きいはずだと情報処理をし直してしまうのです。その為に、月は大きく見えるというわけです。
3.月の出、月の入りの時刻はどうやって決めているか
日の出、日の入りの時刻は皆さんご存知のように、太陽の上の縁が地平線から出る時刻が日の出であり、日の入りは太陽の上の縁が地平線と一致する時と定められています。
理科年表の各地の日の出入りの時刻は、山やビルの影響がないように、その地点の海抜、すなわち標高ゼロメートルの地平線上の値に換算されています。
さて、それでは月の場合はどうでしょうか。太陽に比べると、月は日に日に形や傾きを変えるので取り扱いが厄介です。
したがって、太陽のように月の出や月の入りは月の上の縁の出入りでは簡単に決められません。
ところが、月は形や傾きが変わっても、月の中心の位置は推定しやすいので、月の出、月の入りは、月の中心が水平線を横切る時刻を使うようにしています。
参考までに記しておくと、太陽の上の縁が地平線より顔を出してから、昇りきって下の縁が地平線を離れるまでに約2分半かかります。朝日や夕日を眺めていて、随分速いなと思ったことはありませんか。